『怒っている子どもはほんとうは悲しい』


人生100年時代の現在、 生存についてはかつてないほど保証されつつある一方で、 子どもたちには深刻な心の危機が生じている。 

不登校、いじめ、暴力、SNSでの誹謗中傷、自傷や孤立。 

なぜこれほどまでに生きづらさを抱えているのか。 

その一因として、「感情の理解の仕方や扱い方」を学ぶ機会に乏しいという点がある。 

学力を高めたり、迷惑をかけない行動を求めることには熱心だが、 「自分の感情に気づく」「他者の気持ちを想像する」「気持ちを言葉で伝える」といった、感情に関する基本的な力(=感情リテラシー)については、 教育の中で十分に扱われてこなかった。 

この力を耕し育むことは、単に感情の安定をもたらすだけでなく、今の時代を生きる土台となる。 

世界でも注目のSEL(社会性と感情の学習)を活用した感情リテラシーの育て方について、第一人者がわかりやすく解説する。


タイトルにひかれて手にしたこちら。

幼児教育に触れた内容かと勝手に想像していたのですが、主に学校教育における、「感情リテラシー」を育てる重要性を説いた一冊でした。


『日常生活では、「怒り」にばかり注意を向けがちで、その「怒り」をなくそうとする教育的関わりが強い気がしていますが、「怒り」の感情自体を持つことは悪くないことだと思っています。
というより、怒りの気持ちがすでに生じているのに、「ゼロ」や「マイナス」にすることはできないと思うのです。
むしろ、こうした怒りやストレスを持っていることを自覚させ、それを言葉に置き換えたときに、なぜそのような気持ちを持つのかを考え、そしてそれを、適切な方法で解決するすべを教えることが必要だと思います。』

これは、大人の私にも刺さりました。

「怒り」をなくすことよりも、まず自覚し、「言葉に置き換える」ことがたいせつ。

言葉に置き換えることができれば、解決策を練る段階へと進むことができる。


『不登校の原因はさまさまですが、「葛藤なき不登校」と呼ばれるケースもあり、不登校の子どもたちが抱えている多くの気持ちを引き出すのは、決して容易ではありません。
その背景には、子どもたち自身が、自分の抱えている気持ちを理して言語化することができず、困っているという状況があります。
ここ20年ほどの不登校児童・生徒の中には、学校に対して強い嫌悪感や不安感を示さない、「行かないこと」に困っている感じがない、本人の中であまり葛藤が見られない、といったケースが増えており、これを「葛藤なき不登校」と呼んだのです。』

嫌悪感や不安を感じさせない、葛藤なき不登校・・・

そのような状況で、子どもが自分の気持ちを言語化できないとき、周りの大人はどう対応するべきなのか、読みながら頭を抱えてしまいそうになりました。


幼児教育でももちろん応用できるだろうけれど、ある程度成長し、語彙力がつき始めた頃にこそ、感情リテラシーをはぐくむ取り組みが必要なのだということがよく分かる内容でした。

この春小学生になった息子にも、自分のきもちを言語化でき、相手のきもちを読み解くことができる力をつけていけるようなサポートをしていければと思いました。


紋佳🐻

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