『まどろみの星たち』
「諦めないで。大丈夫。代わりに私たち保育士がいるんですよ。」
ある事情から夜に眠れなくなってしまい、休職していた保育士の文乃。
昼夜逆転した生活リズムであれば眠れるようになり、東京新宿にある夜間勤務のある保育園で働くことに。
24 時間営業の「つづきの保育園」では、飲食業界、医療関係者、夜の仕事、シングル、深夜手当で生計を立てる外国人など、さまざまな事情から夜に働かなければならない親たちのために子どもを預かる、“夜間保育” を行っている。
厳しい現代社会の中でも懸命に子育てする親と、親をひたむきに愛する子どもたち。
文乃はそんな親子の力になりたいと願い、真摯に向き合っていく―。
第11回ポプラ社小説新人賞を満場一致で受賞した期待の若手作家が贈る、心揺さぶる感動作。

これは、いま自分が子育て中で、保育園や保育士の先生方が身近な存在だからかもしれませんが、読みながら「出会えてよかった」と心から思えた作品でした。
泊まり保育を利用する保護者には、夜間シフトのある医師や夜職、コンビニ勤務など、本当にさまざまな人がいて、人種も背景も多様。
その世界が小説として描かれていることに、まず感動しました。
認可・認可外の違いだけでなく、実際の現場の空気感や、それぞれの良さ・難しさにも触れることができて。
夜間保育を利用する保護者たちの人生と、そこで生きる子どもたちのたくましさが、丁寧に描かれていました。
『「お母さんよくがんばってるよ。心配になるよね。自分の一挙一動が子どもに影響する気がして。
でもそれ、がんばってるからだよ。
子どものことが大好きだから、がんばっちゃうんだよ」
(略)
「お母さんが自分のためにがんばってること、成也くんは感じ取ってるよ。だからどんなにお母さんに邪険にされても、お母さんが迎えに来ると、嬉しくて笑うんだよ」』
泣きました。
子どもを愛せる自信がないとか、自分に育てられるなんて不幸だとか・・・
母親がどんなに抵抗しても、子どもという存在は、まっすぐにその愛を信じて親を愛する。
そうすることしか知らない生き物なんだと思いました。
『小さい顔。小さい手。確かに彼らは星の子どもたちだ。
きらきらとして、懸命に燃える小さな命だった。』
ラストは世界中の子どもたちのしあわせを願わずにいられなくなりました。
子どもたちがしあわせでありますように。
そのために、大人たちがしあわせでありますように。
まずは我が家の子どもたち。
このちいさな「ほしのこたち」の輝きを、この手で奪ってはいけない―
そんな責任感とあたたかいきもちを抱きしめながら読了。
ポプラ社さま、さすがです。
紋佳🐻









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