『半うつ』


「うつ」とまでは言い切れない。

だから、仕事に行けるし、家事もできる。

だけど、たしかに憂鬱を超えた不快感がある。

身体は動くけれど、心が動かない。

「半うつ」とは、そんな憂鬱とも、うつ病とも言えないグレーな心の状態を指します。

なんと、現代人の5人に1人が、潜在的にこの「半うつ」に苦しんでいると言います。

名前のない不安ほど怖いものはありません。

でも、名前がつけば「対処法がある」「1人じゃない」と思えるようになります。

この本は、精神科医として25年、延べ20万人の患者さんを診てきた著者が、名前がないばかりに見過ごされてきた苦しさに「半うつ」という名前をつけ、その改善法を具体的に示した一冊です。


とても読みやすくわかりやすい文章でした。

ベストセラーの理由がわかります。


『本当の休息とは、心のブレーキであるセロトニンがしっかりと働ける環境を作ってあげること。
それは、刺激を減らし、情報を遮断し、穏やかな時間を過ごすことです。
「何もしないこと」は、決して「怠け者になること」ではありません。
むしろ、心を本来の健康な状態に戻すための、とても積極的な行動なのです。』

休むことは「積極的な行動」である。

そう捉え方を変えるだけで、休むことへの罪悪感が減りますね。


『こうして、ブレーキがうまく使いこなせるようになると、不思議なことに前に進みたくなってくるはずです。
多くの人は、「ブレーキをかける=止まる」「休む=やる気がなくなる」と思い込んでいます。
でも実際は、その逆なのです。
適切にブレーキがかけられるようになると、心に余裕が生まれます。
「いつでも止まれる」という安心感があるからこそ、「少し挑戦してみようかな」という気持ちが自然と湧いてくるのです。
例えば、新しいスキルを身につけたり、困難な課題に挑戦したり、大切な人との関係を深めたりといったことです。』

ブレーキを踏むことができると、アクセルを踏もうというきもちになる。心に余裕ができる。

だからまずは、ブレーキを踏むことがたいせつ。

こちらも目からうろこの視点でした。


専門性もありながらわかりやすく、なにより休むことの正当性についてやさしく説き、寄り添ってくれる良著でした。

ブレーキを踏む勇気、たいせつですね。


紋佳🐻

読書