『かんたん短歌の作り方』


現代の言葉で作る「かんたん短歌」。

感嘆するような表現を選び、並べるのは難しい。

でも何かを言いたいときに、短歌のリズムなら思いが伝わる!

・やさしく書くってことはなんてむずかしいんだろう
・何かを言いたいとき五七五七七のリズムを活用すると、強引な意見でもモットモらしく見えます。
・Q&A(歌人になる方法をおしえて/どうやって歌人になったの?/「歌集」と「短歌集」のちがいは?ほか)


1997年~2000年にかけて、少女向け漫画雑誌『キューティ・コミック』で連載されていた枡野浩一さんの短歌コーナーをまとめた本。

連載から約30年経ったいまでも常連投稿者だった方の中には、歌人や小説家、コメンテーター等でご活躍中の方もいて。

ご縁や偶然とはたいせつだなあと感じ入るのでした。


・「仕事だろ?」わたしのことを疑いもしないあなたを疑っている

・"コーヒーはブラックで飲む"こと以外わからなかった あなたと寝ても

・マスカラがくずれぬように泣いている 女を二十五年もやれば

すべて佐藤真由美さんの歌。

素敵。かっこいい。

「幸せなときに良い短歌は生まれにくい」というのは納得のいく話で、何か引っ掛かりがあって、訴えたいことがあるときに良い短歌は生まれるのだと思わされます。


・句読点はなるべく使わない(散文のように見えるから)。

・五七五七七のリズムをなるべく崩さない(せっかく日本人のDNAに備わっているリズムを利用しない手はない)。

独学で短歌を極められた枡野さんですが、マイルールが確立されていて初心者が教わるのにはとてもわかりやすいです。

俵万智さんはよく破調(五七五七七のリズムによらない)をつかわれていて、「やっぱりプロの短歌は楽しむ方にもレベルが求められるなあ」と常々読者としての力不足を感じてしまうのですが、
枡野さんはそれ(破調)を「なるべくやらない方がいい」「よほどの理由があるべき」と真っ直ぐに仰っていて、短歌初心者として励まされるきもちになりました。


『浜崎あゆみさんが音楽誌で、好きな本として枡野浩一短歌集を挙げてくれました。
小説家の野中柊さんが最新エッセイ集で、枡野浩一の短歌への愛を語ってくれました。
ミュージシャンの朝日美穂さんが、大ファンですというメールを突然くれました。私はどんどん元気がなくなっていきます。
最近出た『岩波現代短歌辞典』の「20世紀短歌史年表」には、歴史に残る一冊として(?)短歌集『ますの。』が載っていました。
自宅に送られてきた雑誌をひらけば、〈今、男性で面白い文章を書く御三家はリリー・フランキー、松尾スズキ、そして枡野浩一だ。〉と書いてあります。
ああ、かんべんしてくれ!と、泣きたいくらいです。』

変な人です。枡野浩一さん。

センスで生きている人という感じ。

自分に正直なスタイルは、生きにくいだろうけれど、憧れます。


いま、子育てをしながら(この瞬間の感情を生きたまま残しておきたい)と育児短歌なるものをつくったりつくらなかったりしています。

「こどもの言葉は生け捕りできる(そのまま使える)」とは俵万智さんの言葉。

自分では思いつかないような子どもたちの言動のおかげで、自己満足な短歌をつくることができています。

大人っぽい短歌を詠める日はくるのかしら。

いまはきっと不要なんですよね。

必要になったとき、生まれるのだと信じて。


紋佳🐻

読書