『私のなかの彼女』
「男と張り合おうとするな」醜女と呼ばれた亡き祖母、そして物書きを志した祖母の言葉の意味は何だったのだろう。
和歌が心に芽生えた書く衝動を追い始めたとき、イラストレーターの仙太郎と夢見た穏やかな未来は、いびつに形を変えた。
母の呪詛、恋人の抑圧、仕事の壁。
それでも自分は切実に求めているのだ、何かを。
すべてに抗いもがきながら、自分の道を踏み出す新しい私の物語。

『さっきから、いちいち何に対して安堵しているのだろうと和歌はようやく不思議に思う。というよりも、安堵の必要なほどの緊張を、何に対してしているのだろう?
答えが出るより先に、新しいグラスがそれぞれの前に置かれる。』
独善的で自信に満ちていて、ひとつ発言するたびに相手を緊張させるタイプの彼氏・・・読んでいてずっとぞわぞわしていました。
分かるよ、若い頃はそういうタイプが頼もしく見えるよね。
でも顔色ばかり伺い、言いなりになってしまう彼女には、思わず腹が立ってしまう私。(もう若くない)
18年も一緒にいるのに、こんなにもすれ違ってしまうのかとやるせなくて。
実の母親への勝手な死産の報告や、「嘘をついて自分を守る」という選択も含めて、圧倒的に話し合いが足りないふたりに、切なさともどかしさで胸がいっぱいになりました。
終盤に向かうにつれて、「結局は主人公の受け取り方次第」「すべては自分の言い訳」という結論(ある意味の妄想)に集約されていったのには、少し引っかかりもありつつ。
(DV・モラハラを正当化してしまう危険性があるのでは)
こんなふうにモヤモヤぞわぞわするのも読書の醍醐味だなと思いながら読了。
オススメしてくださった美容師さんに感謝して。
その人にとって大切な本を読む、ということの贅沢さよ。
いろんな方からオススメを伺っては拝読している日々です。
紋佳🐻









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