『ほんのきもち』


お世話になっているあの方を喜ばせたい、だれかの大切な何かを応援したい・・・。

贈りものをするとき、ひとはそこに自分の気持ちをそっとふくませている。
だから、贈ったり・贈られたりのやりとりは、時に不器用で、可笑しくて、愛おしい。

思わず笑みがこぼれるような、嬉しくて秘密めいた贈りものもあれば、あの頃は気がつくことができなかったけれど、思わぬかたちで受け取っていた相手の温かな想いもある。
もちろん、とびきりのお菓子やごはん、お気に入りの手土産のお話もたっぷりと。

ひとつひとつの“贈りもの"に、贈り主の想いがにじんで、ほんのりと心を灯してくれることがある。
そんな、ちょっとだけ奥ゆかしい「贈りものがたり」を一冊に詰めてみました。

“ほんのきもち"ですが、ひとり密やかに包みを開ける楽しみを、そっと覗かせてもらうような心地になるはずです。

世界が優しく、柔らかく広がっていく瞬間を大切に思い出すことができる、エッセイ&コミック&ショートストーリー。


表紙と作家さんの名前にひかれて手にしたのですが、読み始めてみれば、いまの私に必要な本でした。

テーマは「贈り物」。

それぞれの作家さんのおすすめの贈り物、贈り物にまつわるエピソードは、具体的なお店の名前や商品も明記されていて、「お世話になっている人や友人に贈り物をしたい夏」にぴったり。


御歳暮ほど仰々しくなく、ちいさなギフトにきもちを込めて贈る「小歳暮(こせいぼ)」。

小歳暮について触れているエッセイが2つほどあったのですが、その習慣を私は初めて知りました。
(簡単に調べてみたところ、2015年には既にその言葉が存在)

ではいま私がやろうとしているのは「小中元」では!・・・と思って調べたことろ、そんな言葉はありませんでした。笑

暮れの忙しい時期よりも、活力の必要な夏に、「元気ですか」「お互いがんばろう」とメッセージを込めてプチギフトを贈るの、楽しいんだけどな。


お土産、内祝い、御歳暮・・・

贈り物を楽しんでいる方もいれば、「贈り物恐怖症」の方も。

それぞれのエピソード・作品に、でも共通しているのは「相手をよろこばせたい」という想いなのでした。


紋佳🐻

読書