『コレクターズ・ハイ』


「推し」に人生を捧げること。

その素晴らしい幸福の背後にある搾取の闇や、理性を失い暴走が加速していく衝撃的なラストに共感&恐怖が止まらない!

なにゅなにゅオタクの私、クレーンゲームオタクの森本さん、髪オタク美容師の品田。

その愛は一方通行だったはずなのに、気がつけば歪んだトライアングルから抜け出せなくなっていて・・・。

執着の暴走に恐怖する、衝撃の群像新人文学賞受賞第1作。


厚みはそんなにない本ですが、話題になるだけあるなあという濃い内容でした。

オタク、コレクターと呼ばれるような人たちの、物欲の深さ、SNSでの情報収集、マウントの取り合い、転売ヤー問題・・・等、いまの時代を描いたような生っぽさがあります。


私も大学生のころは、都内の1Kの部屋中が、リラックマの雑貨やぬいぐるみで溢れかえっていたので、主人公のきもちが少しだけわかったりして。

当時はそれが普通の感覚だったけれど、ああ若かったなあ、なんて思ったり。


過去、何かにハマった経験のある人に、特にオススメしたい一冊です。


紋佳🐻

読書