「出涸らし」のお茶。


こどもの頃、実家で一緒に暮らしていたおばあちゃんは、いつも緑茶を飲んでいました。

寒い冬の日も、暑い夏の日も。

食後にはいつも、家族全員ぶんの緑茶をいれてくれて。

私は「いらない」って、断ることも多かったけど。

お茶をたのしめる大人になってから、ああ、あの時おばあちゃんがいれてくれたお茶、たくさん飲んでおけばよかったなあ、なんて思ったり。


みんなにお茶をいれる時は、毎回「きれいな急須に新しく入れた茶葉」で。

けど昼間、おばあちゃんがひとりのとき、自分のためにいれるお茶は、みんなのためにといれた急須のまま。

「出涸らし」という言葉は、おばあちゃんから教わりました。

新しく入れ替えた茶葉の方が、おいしいのかもしれない。

けど、そんなおばあちゃんの思い出があるので、私もついつい、「出涸らし」のお茶を、お代わりしてしまうのでした。

実家からもらってきた、コーヒー用のポット。

急須じゃないけど、急須の代わりに使っています。


その使い道をたくさん用意してあげた方が、ものが喜ぶ、って

なにかの本で読んだんだよなあ( *´꒳`* )


紋佳🐻