『大人のための「星の王子さま」』


『星の王子さま』が初めて出版されたのは一九四三年のことでした。

以来、八十カ国以上で翻訳出版され、世界中で六千万部以上も読まれています。

この童話はなぜこれほどまでにも世界中で愛され続けているのでしょうか。

本書はその秘密を解き、サン=テグジュペリが本当に伝えたかったことを探っていきます。

筆者自身の生い立ちやこの物語が誕生した経緯を解説しながら、筆者の生誕百周年を機会に改めて読み直して模索を試みています。


原書が読める人(あるいは英語版を読んだ人)が口を揃えて言う、「内藤訳は意訳しすぎている」。

本書では、具体的に「どこが意訳しすぎなのか」、本来の意味と、日本語版との比較が綴られています。


フラットな立場からみた、数多くの「解釈本」の紹介も、興味深かったです。

時代的読み方、心理学的読み方、宗教的読み方・・・

様々な解釈の存在に、いかに有名な作品であるかがうかがえます。


ウラジーミル・プーチン氏が、星の王子さまが大好きで、ほとんど暗記していた、というのは微笑ましいエピソードですね。


紋佳🐻

読書