『サラと魔女とハーブの庭』


十三歳の春休み。

家でも学校でも居心地の悪さを感じていた由花は、田舎で薬草店を営むおばあちゃんの家で暮らす決心をする―

誰にも言えない永遠の友達、サラと会うために。

古いが落ち着いてお洒落なお店、自分だけの手作りの部屋、魔法の本のような日記帳、由花のためのハーブティー・・・。

おばあちゃんとサラとの田舎暮らしは、由花の心を満たしていく。
それは春を迎える再生のはじまりだった。

永遠の友達、サラの秘密と不滅の友情。

ハーブの香りただよう大人への物語。


「香りはね、薄い方が心に届くの」

薄味のハーブティーを淹れたおばあちゃんの言葉。

ハーブだけじゃなくて、どんな香りにも言えることだなあと思いました。

「薄い方が届く」。

ささやかで、さり気ない存在の方が、心に届いたりする。

芝居もそうですね。


『特に何かを話すわけではない。
窓越しにある淡い庭を眺めながら、ひとときが流れる。
おばあちゃんは静かにゆっくりお茶を飲む。
こういう時間を大切にしているのだと由花にも伝わった。』

周りの環境に上手く馴染めなず、祖母にひととき預けられ、自然やハーブや手づくりの温かいごはんに癒されていく姿・・・は、某有名作品を彷彿とさせますが。

いいじゃないの。

どちらも好きです。笑


紋佳🐻

読書