『わたしの外国語漂流記』
言葉は万能な道具ではないけれど、灯りのように人を温め、今いる場所を示し、進む道を照らしてくれる。
英語、チェコ語、サーミ語、プナン語、ブルシャスキー語・・・
世界の多様な言語に触れた25名が独自の学習法、現地の貴重な体験を綴る!
『私は仕事柄、英語の文献を読んだり、論文を書いたりする。覚えてるアムハラ語の語彙は、英語に比べて、たぶん10分の1以下、かなり少ないと思う。でも英語よりアムハラ語のほうが、すらすらと話せる。
入り組んだ話をするなら、語彙を増やすことも、文法を学ぶことも大切だけど、日常の意思疎通だけなら、単語の数や文法ではない。』
松村圭一郎さん(文化人類学者)の体験談より。
ほかの方々も仰っているけれど、「言語は現地で習得するのが1番!」。
それはそうだと思うけど、でもフィールド言語学者の多くが、調査地の言語を事前に勉強してから向かうのではなく、実際に暮らしていく中でその土地の言語を一から学んでいく、という話には驚きました。(文化人類学者・石井美保さん談)
フィールド言語学者、ハートが強すぎる。
吉田欣吾さん(社会言語学者)のサーミ語のお話の中にあった、
『自分のことばで生まれることができ、自分のことばで死ぬことができるのは幸せなことだ。』
この言葉の重み、刺さりました。
言葉はアイデンティティそのもの。
決して奪われてはいけない人権ですね。
ヒリヒリするような経験を積んで(私なら挫折して日本に帰ってきそう)、ニューヨーク在住の佐久間裕美子さんの気になった著書を予約しました。
楽しみ。
毎週金曜日に楽しみにしているラジオ番組のナビゲーター、LiLiCoさんの日本語体験記も楽しみました。
そうだよなあ、LiLiCoさんって母国語じゃない、英語と日本語でお仕事してるんだよなあ・・・と改めて尊敬。
言語学習の醍醐味や意義がたくさん詰まった、
読んでいると、言語を学びたくてうずうずしてくる1冊でした。
貸してくださった、クラリネット吹きのお姉さまに感謝です。
紋佳🐻
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