『カルト脱出記 エホバの証人元信者が語る25年間のすべて』


教団への不信、洗脳からの脱出、そして、難航する家族の説得。

25年間にわたり「世界のすべて」であった場所を捨て、ついに「日常」を取り戻した男による、驚愕の手記。

単行本の後日談「文庫版あとがき」を収録した決定版。


『狙われた羊』を読んだ私に、クラリネット吹きのお姉さまが貸してくださった1冊。

いつもありがとうございます。


二世として育ち、カルト団体のルールが自身の価値観であり倫理観だった著者が、35歳で全てを手放した、その覚悟たるや―壮絶でした。


『世間一般の人は自分の常識や価値観を疑ったことがないだろう。大抵の人は、他人によって植え付けられた価値観を自分の価値観だと思って生きている。』

自分は宗教とは無縁である、と思っていても、世の中の風潮、広告、教育・・・いろんなものを鵜呑みにして、信じ込んでいる時点で、「自分で考えることを放棄」していることに、変わりは無い。

本を読み終える頃には、自分を省みました。


教わるのも、信じるのも簡単。

疑うことの、何とエネルギーの要ることか。

でもそうやって訓練していくことが、「自分の人生を生きる」ことに繋がっていくのですね。


『宗教論争は一言でいうとー神との独占契約の代理店の権利を巡っての論争だ。』

言葉の選び方に親しみがあって、遠い世界のことだけど、よく理解することができました。

私は自分の人生、生きているかなあ。


紋佳🐻

読書