『あのひととここだけのおしゃべり』


『大奥』をはじめとするマンガ界の名手・よしながふみの、大好きな人たちとの超貴重な「ここだけのおしゃべり」。

しゃべれどもしゃべれども止まらない・・・

ファン垂涎のマンガ・トークが満載です。


よしながふみさんのマンガへの深い愛が伝わってくる対談集でした。


『今の「ジャンプ」のマンガは読むのに実は結構訓練が必要なんです。ジャンプはずっと読者にそういう読む訓練を子供の時から連綿とさせてきたというのが、すごいと思いますね。(略)
逆にいうと少女マンガの文法だってきちんと訓練すれば誰でも少女マンガを読めるようになるっていうことですよね。』

昨今は少年に関わらず、少女も大人も少年マンガを読んで育っていて、少女マンガが読まれなくなっている(少女マンガはその当時、抑圧された世界で育つ女子の救いの存在だったけれど、いまは女の子も自由に行動出来るようになってきたから読まれなくなっているのではとの見解)というお話。

マンガに疎い私には、新鮮なお話ばかり。

少年マンガや少女マンガそれぞれに文法やルールがあって、訓練されていなければ読むのに時間がかかったり、「何が起こっているのかがわからない」といった迷子になる。
だからそのふたつの世界の間には溝がある・・・ふむふむ。


自身の漫画がアニメ化やドラマ化されることに関してのお話も興味深かったし、

『そもそもマンガ家って、心が弱いからマンガを描いているんだから(笑)、マンガ家業に慣れるまではいろいろありますよね・・・。』

『でもくよくよ考えるからマンガ家なんだもんって思う。そういう風にくよくよ考える性質の人がなる職業なのかなって。要は、至らない自分といかにつきあうかだと思うんです。』

マンガと、マンガ家さんについて、知らない世界を覗き見することができました。

奥が深い。(沼が深いとも)


紋佳🐻

読書