『しろいろの街の、その骨の体温の』


季節が変わるごとにたくさんの転校生がやってくるニュータウンで、クラスの立場も性格も、正反体の女の子と男の子が出会う―。

学校が嫌いだった人たちへおくる、教室の物語。


「少女が大人へと成長する話」ではなく、「女の子が少女へと変化する話」。

小学生から中学生にかけて、女の子は身体がどんどん成長していく。こころも。

その様子がとてもリアルに、鈍感に生きてきた私には想像もつかないほど深く描かれていました。


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「教室はね、見下す側と、見下される側に分かれてるんだよ。見下される側がどんな気持ちか、そっち側の人にはわかんないんだよ」

「おれ、そんなふうに見えない。でもおれにも、2種類に分かれて見えるかもしれない。自分からちゃんと楽しんでる奴と、何もしない奴。楽しんでる奴は、調子に乗りやすくて、確かに谷沢が言うみたいに誰かを傷つけたりしてるのかもしんない。でも、自分から何もしないのに、つまんないって不満言ってる奴が、正しいっていうふうには思えない」

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このあたり、突き刺さりました。

それぞれに、それぞれの言い分があっていい。

村田沙耶香さんのそういう偏らないところが、とても好き。


#しろいろの街のその骨の体温の

#村田沙耶香



紋佳🐻

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