『監禁』


幼い娘の育児と仕事の両立に限界を覚えた由紀恵にとって、今日が勤務の最終日。

夜勤の間は、夫の雅之が自宅で娘を見ている。

だが、ラインのメッセージに返事はない。

電話をかけても繋がらない。

由紀恵は自分に執着していた不気味な患者の存在を思いだし、胸騒ぎを覚える。

家族の絶望と狂気、そして再生を描いた戦慄のサスペンス。


ハッピーエンドなのに、なんだかすっきりしない後味・・・いいですね。好きです。


共働き夫婦の、子育てと仕事の両立問題から起こるすれ違いが、それぞれの視点から細やかに描かれていて、妻の言い分、夫の言い分、両方のバランスがいいのがよかった。


医療従事者(特に看護師)の夜勤の様子、患者さんが亡くなった時の対応など、いろんなことを知ることもでき、勉強にもなりました。


シチュエーションが変わる毎に、(え、こっちが本当の意味での『監禁』!?)と思えてしまって、思うに「三重の意味で扱うことのできる『監禁』というタイトル」という気がしました。

(いや、病院に入院している患者さんなんかも大きい意味で捉えたら・・・あれ?待って、五重の意味くらい見つけられるかも)


続きが気になって、頁をめくる手が止まらなくなる系でした。

おもしろかった!


紋佳🐻

読書