『フランス人ママ記者、東京で子育てする』


こんなに違う!?

日本とフランスの出産と育児。

日本人漫画家じゃんぽ~る西と結婚したAFP勤務のフランス人女性記者が、東京で出産と子育て。

キッチンに汚れた皿があっても、夫や子どもとキスする時間を惜しまないフランス人の幸せな子育て観とは―。

笑えて考える比較文化エッセイ。


日本とフランスの、それぞれの出産事情、子育て事情を知ることができて、面白かったです!

大学の異文化コミュニケーションの授業を思い出すような、懐かしいきもちになる本でした。


『フランスに「マタニティマーク」は存在しない。パリのメトロには優先席もない。
なぜならすべての席は、明らかに必要としていそうな人に自然と譲られるからだ。』

耳の痛いお話。

例えば妊娠初期で、お腹が目立たなくて・・・っていう時期なら、マークの意義はあるのかもしれないな、と思う一方で、私も、ひと目見て臨月が近いと分かる妊婦さんに席(優先席)を譲らなかったおじさん、若者たちに遭遇しているので、何も言えません。

社会がストレスフルなんだと思う。

もう少し、やさしさと思いやりを持つことのできる、心の余裕がある日本であってほしい。

(かく言う私も、子育て中に何が一番欲しいかと聞かれたら、間違いなく「心の余裕」だ。)


『フランスでは、まだ歩けない乳児5人につき1人、歩ける子なら8人までを保育士1人がみるよう法律で定められている。
それを思うと日本の保育園はずいぶん手厚い。』

人手不足だと常々問題になっている日本の保育園だけれど、フランスの現場はもっと過酷だった・・・!

乳児5人、同時多発的にぐずり出したらどうしろというのだろう。

両手両足を使っても足りない。


保育所に預けられないならば、ベビーシッターを利用することも当たり前のフランスと、その多くは母親が仕事を休むか辞めるしかない日本。

ところがフランスの場合は、「働かなければ生きていけない」という、金銭的な理由が背景にある場合が多いとか、日本においては「働きたいと思っている女性が実の所は少ないのでは」という指摘も。


それぞれの良いところ、見直すべきところを指摘するだけでなく、その理由や原因についても考察しているところに、カリンさんの聡明な部分を感じるのでした。


紋佳🐻

読書