『図書館のお夜食』
東北の書店に勤めるもののうまく行かず、書店の仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。
そこは普通の図書館と異なり、開館時間が17時~24時までで、そして亡くなった作家の蔵書が集められた、いわば本の博物館のような図書館だった。
乙葉は「夜の図書館」で予想外の事件に遭遇しながら、「働くこと」について考えていく。
すべてをさらけださなくてもいい。
ちょうどよい距離感で、美味しいご飯を食べながら、語り合いたい夜がある。
グルメ小説かと思っていたらそうではなくて。
こころがほっこり温まる物語かと思っていたらそうでもなくて。
ちいさな謎が鏤められたミステリ小説で、最後の終わり方は、なんともふわりとした未確定のベールに包まれていました。
続きは想像をお楽しみくださいパターン。
本編とは関係ないのですが、けんちん汁(けんちんうどん)って、全国区じゃないの!?と茨城県民の私、驚愕。
(給食にも出たよ?)
図書館という場所の特別感、本好きならたまらない設定!そしてグルメ小説!と、自分のツボに刺さりそうで手にしたけれど、割と軽めに読めるミステリ小説でした。
名作に登場する料理が出てくるのですが、まるで渋谷にある『森の図書室』のようで。
行かれたことのある人は、きっと、行きたくなります。
紋佳🐻
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