『華胥の夢:十二国記』


十二国の歴史を彩る5つの物語。

景王陽子は、泰麒蒿里は、楽俊は、そして延王尚隆、泰王驍宗、供王珠晶、采麟揺藍、祥瓊、月渓、利広は、それぞれの胸に何を秘めるのか!

戴国王驍宗(ぎょうそう)の命で漣国へ赴いた泰麒(たいき)を待っていたのは。

芳国王仲韃(ちゅうたつ)への大逆の張本人月渓(げっけい)に慶国王陽子から届けられた親書とは。

才国の宝重華胥華朶(かしょかだ)に託された理想の王国への憧憬の行方は。

そして、陽子、楽俊(らくしゅん)、十二国はいま――。

あなたの心をふるわせ胸を熱くする12国記珠玉の短編集。


今回も名言揃いでしたが、特に私に刺さったのは、

『(略)よく、そんなつもりじゃなかった、とか、そんな大事だとは思わなかった、と私たちは言うわけですけど、罪の重さを知らずにいること自体、それがひとつの罪なんじゃないかな。罪の重さを分からないで罪を犯すことは、二重の罪悪なのかもしれません。』

・・・ここ!!!

大逆の罪に苛まれる月渓を説得する作業は、傍から見ていても困難で。
そんな中、複雑に絡まった糸を少しずつ、根気よく、青がほぐしていく様子は「こちらまで解されていく感じ」がして、癒されました。

それから裁かれに向かう祥瓊(及び景王、月渓)に対する供王の対応、痺れました、、!
相手に気を使わせない気遣いのできる大人に、私もなりたい。


自分を疑うことができれば、
それを正すことができる。

一貫して、これまで描かれてこなかったパターンの王の姿、政の難しさが読めて、
とてもたのしい短編集でした。


とにかく楽俊はかわいいね。
かわいい。


紋佳🐻

読書