『フランス人は1割しかお嫁に行かない』


「家族」が軽い、絆が緩い、規則もアバウト、変わり映えしない毎日。だから、幸せ!?

身軽な心と暮らしはフランス人が先生。

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についてのフランス事情、まるわかり!


カフェ1杯、ビール1杯で、とことん語り合う男性ふたり。恋人同士かと誤解しそうな光景もフランスでは普通で、なぜならフランス人男性はおしゃべりで議論が好きであるからだ、とか。

嫁姑は、対等に意見をぶつけ合って譲らず、激しい論争を繰り広げるけど、日本人同士のように「二度と口をきかなくなる」のではなくその逆で、どんな時もとことん話し合う、とか。
(そもそも「嫁」というフランス語が存在しない、とか。)

結婚でも事実婚でも、国からのサポートに差がない(事実婚で子育てしてもなんの不都合もない)ことなど・・・

知らないことがいっぱいで、興味深かったです!


「基本的にフランス人は自分が不利益を被るような事象に対して、自分の非を認めない」

といった国民性は、「自分に非がなくてもすぐに謝ってしまう日本人」としては、ある意味でとても羨ましいもの。

(レストランで注文したものと違うものが出てきて指摘したら、「貴方が頼んだのは絶対にこれだった!」と逆ギレされる・・・なんて実際は困るけど)


『食べ物の好き嫌いも同様で、一度これと決めたらそれだけを食べ続ける(あるいは飲み続ける)。典型的なのは、ワインとチーズでしょうか。さぞかしこの2つにかけては道を究めてるかと思いきや、自分のお気に入りの銘柄以外には、目もくれない感じです。もちろん、買う店も固定されている。』

だから、フランス人の40%以上は葡萄の品種をひとつも答えられないという統計データもあるほどなんだとか、、!

旅行先は毎年同じ、家電もずっと型が変わらない。新製品なんてなかなか出ない。

「新しいもの」や「限定品」に魅力を感じる日本人とちがって、

『変化がもたらしてくれるワクワク感よりも、変わらないことの心の平穏に、より価値を置いているんじゃないでしょうか。』というのが筆者の考察。


旅をしただけでは分からないフランスの姿。

30年以上フランスで暮らしたテレビマンならではの着眼点や考察が、とても面白い一冊でした。


紋佳🐻

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