『月の影 影の海 上:十二国記』


「お捜し申し上げました」
―女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。
そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。

男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会う者に裏切られ、異形の獣には襲われる。

なぜ異邦へ来たのか、戦わねばならないのか。
怒濤のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸る。

シリーズ本編となる衝撃の第一作。


クラリネット吹きのお姉さまから貸していただいた十二国記シリーズ。
噂の沼についに、足を踏み入れました・・・!

ファンタジーなんて読むのいつぶりだろう、とそわそわしながら読み始めたのですが、
世界観というより、即物的な文体の、そのリズムに慣れるのに時間がかかりました。
(ここまで飾り気のない文章を書く女性作家さんは初めて出会ったかもしれない。)


残虐なシーンはもちろん、人間同士の駆け引きや、裏切り、主人公の絶望などが丁寧に描かれていて、
「小学生向け」だと勝手に思っていた私、驚きました。笑

小説もアニメもノータッチだった私の、
『十二国記のイメージ』が、さて、どこまで崩されていくか、期待です。


紋佳🐻

読書