『できることだけやればいい 大人の片づけ』


完璧のゴールを設定するから、
片づけがつらくなる。

「できること」だけ続けていたら、
いつの間にか部屋がすっきり!

暮らしまわりを紹介する人気ムック『暮らしのおへそ』編集ディレクター・イチダさんがたどり着いた、心と住まいの整理術。

丁寧な暮らしやもの、人に憧れ、"まねしんぼ"をして新しいものを得たり、経験を積み重ねてきたというイチダさん。

でも、背伸びを続けていると、焦燥感で疲れてしまうのも事実です。

出したものを元に戻したり、引き出しの中をこまごま整理するのも苦手。
そんな面倒くさがりで三日坊主の性格を認め、
「そろそろもういいかな・・・?」と手元にあるものをもう一度見つめ直す。

片づけ上手な人たちをたくさん見てきたからこそわかったのは、「できないこと」はあきらめ、「できること」を心を込めて大切にするということ。

ある程度の年齢を重ねた人生後半の片づけは、スピードを緩めて、今までとは少し違う角度で考えてみる。

そんな"大人の片づけ"を通して、自分自身を見つめてみませんか。


だいすきな一田憲子さん。

『私は、片づけは苦手ですが、「片づいた風」に見せることは得意です。(中略)
レードル類は最初大きめのガラスのコップに入れていたのですが、足元までが目に入るとごちゃついて見えたので「野田琺瑯」の大きめのピッチャーを用意。
これだと見えているのは、お玉やフライ返しの上1/4ぐらいなので、ものが多い印象が抑えられます。』

ただのハウツー本ではない、一田さんらしい、「がんばりすぎない」、「自分をたいせつにした」片づけ術。

暮らし方は、生き方そのものだなあと、ご著書を拝読する度、感じます。


整理収納アドバイザー・Emiさんとの対談もよかったです。

整理とは、ものを分けて大切なものを選ぶこと。
整頓とは、見た目を整えること。
収納は、しまい方。


必ずしも「断捨離して、ものが少なければいい」、という訳ではなくて。

お買い物をするときめきは手放さなくていい。
ただ、持っているものとうまく「循環させる」ことが大切。

そんな一田さんの考え方が、私には合っていて、文章がすっと、こころに染み込んでいきます。


紋佳🐻

読書