『波』2022年7月号


波 2022年7月号。


伊沢拓司さんと、結城真一郎さんの対談が面白かった。

おふたりとも開成高校からの東大組。

クイズ作家とミステリ作家、それぞれの視点から語る2つのジャンルの共通項やら、違いやら。

クイズもミステリも、「まず相手を、解きたい!という気持ちにさせる」雰囲気作りがたいせつ。

ただ、クイズの場合は「正解をしてもらうことを前提に出題する」けれど、ミステリ小説の場合は「正解されないように物語を構築する」と。

わかる!

ミステリ作品の場合はむしろ、解けなかったり、見破れなかったときの方が感動するし、得した気分になります。

クイズは、もちろん正解したい。

思わず新作、ポチりました。


『ステージ4の緩和ケア医が実践するがんを悪化させない試み』の著者・山崎章郎先生は、定期的ながん検診も、健康診断さえも、5年ほど受けずにいたところ、がんが発覚。

「自分もがんになって人生を閉じていく、そうすることが、この仕事を選んだ者にはふさわしいんじゃないか」
「がんにならないと本物になれないんじゃないか」

と、自ら望んで(「宿命だ」と言って)がんになったと言っても過言ではない緩和ケア医人生。


やがて、患者の立場を身をもって経験することでたどり着いた「共存」という考え

―『がんは悪化しなければいい』。

こういう人がいてくれるから、医学は進歩してきたのだなと敬意を抱きました。


『副作用がいやだから抗がん剤を使いたくないという人に、なんの援助もないのは、どう考えてもフェアじゃないと思った。公的医療保険の不条理です。
それだったら、人生支援金を給付してもいいんじゃないか』

痛みを伴ってでも延命を望む人、副作用による痛みを望まない人。

それぞれにフェアなやり方を、模索されている姿に感銘を受けました。


紋佳🐻

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