『切手デザイナーの仕事』


日本の切手をつくるのは、たった8人のデザイナーたち。はじめて本になる、彼らの物語。

ひとりの作家が日本郵便のドアを叩き、丁寧な取材から導き出した、切手デザイナーたちの想いと仕事。

切手やデザイン、印刷、紙ものが好きな人は必読です。

一見すると、遠い存在にも思える珍しい職業ですが、その働く姿には多くの人が共感できるストーリーが詰まっています。

毎日仕事と向き合う、すべての働く人に贈る1冊。


『切手デザイナーという職業がある。
彼らは日本郵便の社員で、現在8人。
1年に約40件発行されている特殊切手、そしてもちろん普通切手も含め、日本の切手は、8人でデザインをしている。
デザインのために絵を描いたり、写真を撮ったり、粘土をこねる人もいる。』

こんな文章から始まる冒頭。

ワクワクしますね。


・消印が見えにくいような暗い色は使えない
・フォントは「日本郵便」だけ決められていて、84やNIPPONはデザインすることが出来る

などなど、知らなかったこだわりを知ることができました。


ぽすくまの生みの親、中丸さんのお話が読めるのがうれしかった。

中丸さん、サンリオに20年勤めてから、転職してきた方なんですね。

だから、『売れる顔』というのが分かっている。

ぽすくまのあの正統派な可愛さ、サンリオ仕込みだったとは。

「季節の花シリーズ」、「おもてなしの花シリーズ」も丸山さんがご担当だそうで。

あのシリーズと、このシリーズは担当デザイナーが同じ!ということを知ると、ますます切手が楽しくなります。


実際に採用となった、見たことのある切手シートと、その際に不採用となった別案を、並べて拝見できるのも面白かったです。

試行錯誤の姿が、プロフェッショナル。


切手は一年に一度、ぽすくまの新シリーズが出たときに大量に購入して、一年間使い続ける。

時々、ぽすくまじゃないクマが出たときにも買う・・・

という、クマ買いをしている私でしたが。

この本を通して、「このシリーズは〇〇さんの企画なんだ」とか、「今年はどなたが担当されているのだろう」とか、他の切手にも想いが及ぶようになりました。


読んでいて、手紙を書きたくなる一冊。

新しい切手、欲しいな。


紋佳🐻

読書