『波』2023年2月号


ぐずぐずとしているうちにもう4月。

さあ『波』も読んでいかなくては。


『本書にあるように、家父長制が認知症問題を生み出したと言えるかもしれないが、父はその典型だった。
甘え体質の男を庇護してきた女性たちにも非がある。
でも、女だから、妻だから、嫁だから、そういったイデオロギーに囚われ、私は家事や介護を頑張っているのではない。
愛しているのだ。夫を父たちを。』

ノンフィクション作家・高橋秀実さんの『おやじはニーチェ 認知症の父と過ごした436日』気になる。

その奥さま(編集者)の愛のある紹介文を読み、「子育ては家族みんなで、と言うけれど、介護もみんなで取り組むのが自然だな」と思いました。


松永正訓さんの『患者が知らない開業医の本音』も、面白そう。

『開業医になるということは、ぼくにとって「恥ずかしい」ことだった。
だって大学病院からすれば無用の人間になってしまったわけだから。』

開業医だから成功者、という単純な構造ではない、その内情、ぜひ読んでみたいです。


『翠雨の人(第14回)』では「ビキニ事件」当時の市井の人の様子が描かれていました。

『乗組員たちに同情が集まる一方で、国民の間には恐慌も広がっている。
「原子マグロ」騒動だ。
これは、第五福竜丸のマグロが水揚げされ、東京や大阪に出荷されてしまったことに端を発する。(略)大阪では一部が小売りされ、それを食べた人々が保健所に殺到する騒ぎとなった。』

川本三郎さんの『荷風の昭和』も終戦後のお話。

闇市の活気と解放感、「パンパン」と呼ばれた娼婦など、当事の様子が鮮明に読み取れ、教科書では知ることの出来ない、知らなかった歴史に触れることができました。


あっという間に『波』の新刊が届き、優先させずに積んでいたら、遡って読んだときに、紹介されていて行きたい!と思うような「気になる美術展」の開催期間がとっくに過ぎている。

そんな風になるので、計画的に読もうと改めて・・・。


紋佳🐻

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