『おいしいアンソロジー ビール 今日もゴクゴク、喉がなる』


大好評、「おいしいアンソロジー」シリーズの最新作!

44人の作家陣による、ビールにまつわるエッセイ集。家でのくつろぎのひとときや、新幹線や飛行機での移動中に読みたい一冊です。


出自も経歴も様々な面々が、揃って「ビール」について語っている。

これは読まねば!と、発売前からチェックしていた一冊です。

『土曜、日曜くらいはわが家をビヤホールとされたらいかがでしょうか。庭の草取り、または草刈りをして水まきをし、一風呂浴びて家庭用生ビールを適度に冷やして(夏は七、八度)、縁側で一杯。』
(辰巳浜子)

『ビールは何と言っても冷えたものが美味い。生ぬるかったり、温ったかいものは不味だ。
その理由は、科学的によく説明できて、先ずビールの温度とそこに溶け込んでいる炭酸ガスとの関係である。(略)炭酸ガスのような気体は逆に、冷めたいほど良く溶ける。(略)生ぬるいビールの栓を開けると、とたんに泡が吹き出してくるのはその現象の一例で、あれはビールの温度が高いために炭酸ガスは溶けにくく、従って、溶けてないガスが吹き出すということなのである。
一方、冷え過ぎて零度に近いビールをコップに注いでもほとんど泡が立たないのは、冷たいビールにすっかり炭酸ガスが溶け込んでしまったからである。』
(小泉武夫)

なるほどー!

ビールの温度と泡の関係、改めて解説されて、しっかり理解出来ました。


美味しいビールの注ぎ方、ビールに合うおつまみ、ビールの歴史、思い出等等。

存命の方も、そうでない方も一緒になって編纂されている書籍って、珍しいのではなかろうか。

ビール、麦酒、ビイル・・・

その表記の多様性さえも愛おしいのでした。


《執筆者一覧》※50音順

赤塚不二夫/阿川佐和子/阿川弘/石堂淑朗/伊藤晴雨/伊藤比呂美/岩城宏之/内田百閒/遠藤周作/大竹聡/長田弘/小沼丹/恩田陸/開高健/角田光代/川上弘美/川本三郎/北大路公子/北大路魯山人/久住昌之/小泉武夫/坂口謹一郎/佐多稲子/椎名誠/獅子文六/東海林さだお/辰巳浜子/立松和平/田中小実昌/種村季弘/千野栄一/永井龍男/中島らも/平松洋子/星新一/村松友視/村上春樹/森茉莉/矢口純/山口瞳/夢野久作/吉田健一/吉田直哉/吉村昭


紋佳🐻

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