『ミッキーマウスの憂鬱ふたたび』


ベストセラー、待望の姉妹編誕生 。
青春小説としてさらにパワー・アップ!


19歳の永江環奈は、東京ディズニーランドで、清掃のアルバイトをしている。

ある日、テーマパークの顔として内外で活躍するアンバサダーになれることを知り、彼女は挑戦を決意した。

不可能だと言われながらも、周囲の応援を受け、夢に向かって前進する環奈。

迎えた選考会当日は雨、さらに園内ではゲストにかかわる大騒動も発生して。


巨大施設の、知られざる〈バックステージ〉を舞台に、仕事、家族、恋、そして働く者の誇りを描く、最高の青春小説!


前作よりもさらに「ディズニー用語」の解説や豆知識が増えていて、勉強になりました。


「いつも準社員(アルバイト)は半分ゲスト扱い。正社員はすべてを共有してくれるわけではない。信頼されていない」と、自分たちの立場に不満、劣等感を抱く準社員たち。

でもそこには線引きする意味があって、だからこそ夢の国を維持できている、ということについて言及されているところは、胸を打つものがありました。


前作は男性が主人公、今回は女の子が主人公。

今作はTDL内のエピソードだけでなく、その外、彼女のプライベート(家族との関わり)も描かれていて、「夢の国」と「現実」というふたつの世界が、物語に深みを持たせていました。


最後は泣けました。

二作目、泣けました。

16年の時を経て、松岡さん(作家)の腕がさらに上がっていたのか、年齢と共に私の涙腺が緩んできているのか・・・。笑


解説の藤田香織さんの言葉、

『キラキラ眩しいだけではない青春小説』

まさに、そんな物語でした。


紋佳🐻

読書