『今日のおやつは何にしよう』


買ったばかりのレモン色のエプロンをつけて自宅で踊ってみたり、文房具屋さんでたまたま見かけた紙粘土でペン立てを作ったり。

バターたっぷりのトーストにハマって喫茶店に通い、クリスマスケーキの代わりにとらやのお汁粉を食べる。なんてことのない一日。

でも、できればハッピーエンド寄りの一日に。

かけがえのない日々を綴ったエッセイ。


大好きなミリさんの最新刊。

今回も、冒頭から心を鷲掴みにされるエッセイが勢ぞろいでした。

『夏物の服を買いに行く。
ちょこちょこ服を見に行くのではなく、最近はシーズン前にまとめて買うことが多い。
面倒だからというわけでもないのだけれど、楽だからというのはある。』

『深夜のレストランで漫画を読んでいるわたしは気ままだった。』

はあ、好き。

読みたい・・・でも読み切りたくない・・・

そんな葛藤の連続。


紙粘土で世界に一つだけの、ペン立てやお雛様を作ったり。

(あ、そうだ。あれを作ろう)

と、100円ショップで紙粘土を購入する身軽さが羨ましい。


『中学時代に缶ペンケースが流行った頃、シャーペンや消しゴム、ものさしなどの色味や柄をいい塩梅に構成し、蓋を開けたときにかわいく見えるように考えるのが楽しみだった。』

そんな感性を子どもの頃からお持ちだから、ミリさんのセンスは磨かれているのですね。

ほぼシャーペンを使う子しかいなかった教室で、頑丈な紙の箱に、山盛りの鉛筆を入れて、

『周りの子たちから逆行するスタイル』

を貫いた自分も、まあ、いまの自分を作り上げているのだな、と納得するのでした。


紋佳🐻

読書