『普通の子』


「いじめ」問題に正面から切り込む、著者渾身の意欲作!

佐久間美保は小学生の息子・晴翔と夫の三人暮らし。

ある日、晴翔が小学校のベランダから転落して骨折してしまう事件が発生する。

転落した理由を尋ねるも、晴翔はかたくなに口を閉ざしたまま。

もしかして、わが子はいじめを受けていたのではないか。

そう思った美保は独自に真相を探ろうとするが、自身も小学生時代にあるいじめを「目撃」しており・・・?

衝撃のラストに震撼する、「いじめ」問題に切り込む意欲作!


うちの子に限って、と我が子に対して盲目になってしまうことのあまりの自然さと恐ろしさに、心が粟立ちました。


クラス内のいじめを、クラスメイトの誰も止められずにいるように。

会社では上司のパワハラを、同僚の誰も止められないという対比も見事でした。


うわっ、ここで終わるんだ。という結末も、
ラスト4行の衝撃も、決して他人事ではない生々しさがあり、思わず(待って、終わらないで!)と引き止めたいきもちでいっぱいになりました。


「普通の子」が一番危ういのかもしれない。


紋佳🐻

読書