『鉄道車掌トラブル日誌』


独特な企画が人気の交通系YouTuber綿貫渉が満を持してお送りする、車掌時代の鉄道エッセイ。


鉄道のこと、全然知らないんだなあと、導入から思い知りました。

『鉄道会社には、夜間に線路をメンテナンスする技術職など、乗客の前には出ずに裏方として活躍する社員も数多くいるが、車掌は駅員や運転士と同様に、乗客の前で仕事をする職種だ。』

(ん?運転士と車掌はちがうのか・・・?)

『車掌の仕事を簡潔に説明すると、「列車の最後部に乗務し、ドアの開閉や車内放送を行う仕事」だ。もちろん実際はそんなに単純なものではない。』

(えー!列車の前と後ろに乗っている人、職種違うの!?)

この知識レベルの私です。

それはそれは、新しいことだらけで、面白い本でした。


自動改札の増加、ネット予約システムの普及によるみどりの窓口の減少、ワンマン化の導入などで、駅員さんの仕事が減ったというのは想像にかたくないけれど。

綿貫さんが勤めていた会社では、2016年から2025年にかけて、採用人数が「半分」になったというのは驚きでした。


「土日祝ダイヤ前の終電+仮眠+朝6時までの始発運転のみで退社」が一番人気だったなどの、シフト裏話も面白い。

中にいた人にしか分からないネタです。


腕時計は、支給された電波時計の電波機能をわざわざオフにして、毎朝自分で時刻を合わせて使う、というのもすごい話。

(電波時計は正確だというイメージが覆される。しかしその誤差僅か0.5秒!)


知らない業界のあるあるほど面白い話はないですね。

鉄道に詳しい人も、詳しくない人も楽しめます。


紋佳🐻

読書