『恋する伊勢物語』


ウルトラ不倫あり、結婚モラトリアムあり、ナンパあり、有名なゴシップあり、告白できなかった恋あり、妻公認の浮気あり、おばあちゃんの恋あり、自然消滅あり、
もう何でもありの恋愛心理かたろぐ。

伊勢物語に詠みこまれた歌の本歌取りによる、新作短歌も収録。


伊勢物語の各物語に対し、解説、付け足し、一言もの申す!といった一冊。
1992年初版だと思えないくらい、現代的で色褪せない、生き生きとした一冊でした。


「現代で言うところの・・・」とか、「現代の女性なら・・・」と通訳してくださるので、伊勢物語との距離がぐっと近くなります。

ああ、いまもむかしも、男女のややこしさって変わらないのね、と、カジュアルに物語を楽しみました。


ひとつひとつの短歌に対して、

こういう説もあって、こう解釈する人もいるけど、
・・・私は実はこうなんじゃないかと思う。

という俵さんの受け取り方が記されているのですが、それがまたとっても面白くて。


こんなに伊勢物語って面白かったのか・・・

高校生の時にこの本を読んでいれば、と後悔しつつ、
描かれている恋愛の機微、複雑さを、本当の意味で理解できたのは、人生いろいろ経験してきた、アラサーの私であるからこそだな、

とも思うのでした。


紋佳🐻

読書