『一晩置いたカレーはなぜおいしいのか』
身の回りの食材には、さまざまな「謎」がある。
トウガラシはなぜ辛くて赤いのか。
ニンニクはどうして健康にいいのか。
メロンにはなぜ網目があるのか。
そして、そんな食材たちが使われる料理にもたくさんの「謎」が隠されている。
一晩置いたカレーはなぜおいしいのか。
子どもたちはどうしてピーマンが嫌いなのか。
スポンジケーキが膨らむ理由は。
これらの謎を解くカギは、食材が生きていたときの姿にあった。
本書では、野菜や肉、魚などの生き物としての特徴を手掛かりに、食材や料理の謎を、科学的に解き明かしていく。
併せて、ジャガイモを煮崩れさせない方法や、泣かずにタマネギを切る方法など、調理の裏ワザも多数紹介。
料理や食事が楽しくなる「おいしさの秘密」をご賞味あれ。
どうしてカレーは関西が牛肉派、関東が豚肉派になったのか、歴史的背景から読み解いたり、
牛や馬の餌となっていたイネ科の植物は、先端を食べられても成長が止まらないように進化して、成長点が株元にあるだとか、
ヤマイモは茎?それとも根?
大根はどうして上が甘くて、下が辛いのか・・・
驚きの答えがたくさん待っていました。
米はどうして「粒食」で、小麦はどうして「粉食」なのか、というお話も、言われてみれば確かに!どうして?と思うような。
普段何気なく口にしているものの謎について知ることができます。
いま流通している種の大きく育たないバナナは、染色体のかたまりを3つ持っている三倍体で、「減数分裂ができない」せいで、正常な生殖ができず、たとえ花粉がついたとしても種が作れない。
そんな『突然変異』で現れたバナナを、種ができないので「株分け」で増やしている、という話も興味深かった!
「減数分裂!懐かしい」といったような、昔習った知識をつかって、分かりやすく説明してくださるおかげで、ただの豆知識に終わることなく、植物・生き物への理解が深まる、そんな素敵な本でした。
紋佳🐻
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