『ポケットに太陽』


ポケットに太陽を突っ込んで
夜の中を歩く
~中略~
誰も信じられないまま
世間と呼ばれる道を
ただただ歩く
~中略~
どう歩けばいいのか
誰も教えてはくれない
ふと立ち止まり
ひとりでも孤独ではないと
ポケットに手を入れる
温かい
それだけでいい―(「ポケットに太陽」より)

どこまでも自然体で、愛を尊び、自分なりの生き方を模索する大切さを謳った詩集。


軽井沢で泊まったホテルにあった図書室で出会い、数篇読んで購入を決めた本。

『完璧になりたいなんて
言った覚えはないけれど
中途半端と言われると
何だか焦ってしまうんだ』

『嫌われるより 好かれた方が
見つめ合うなら 笑顔の方が
地に伏せたとき こぼすのは
愚痴よりも 種の方が
きっといいはず
きっといいはず』

作者自身が、自分に言い含めているような言葉の数々。

押し付けがましくなくて、素直に共感できます。


『この世に生まれた証として
素敵なシミとシワが
欲しいのです』

これは、本自身のことを言っているのだけれど。

人間が、人間らしく生を全うすることについて、どんな姿でも、肯定してくれる文章に勇気をもらいました。


自問自答を繰り返して、生きる。

悩みながら、自分に言い聞かせる。

そんな人間らしさが、ストレートに伝わってくる詩集です。


紋佳🐻

読書