『風の谷のナウシカ3』


マニ族の僧正に、失われた大地との絆を結ぶ「青き衣の伝説」の実現だと予言されたナウシカは、再び戦役に参戦。

一方、王蟲の大群は南へと向かう。
大海嘯を予感したナウシカはそれを追うのだが・・・。


まず、表紙がいい!

読み終えたあと、改めて表紙に目をやったとき、鳥肌が立ちました。


それから、大勢の人たちが密集する場所を、俯瞰した画が凄い。

人間の輪郭しか描かれていないのに、ひとりひとりの体勢や表情まで分かるよう。

空白まで埋めてしまう画力・・・眼福です。

火薬で戦う場面も、まるで映像を見ているかのような迫力ですね。


瀕死の状態でナウシカを陣まで送り届けた馬(カイ)に縋り付く彼女に、

「いい馬です。われわれ騎兵はこのような馬に出会うことをいつも夢みています。
(馬にとってもあなたは守りがいのある主人だったのだ)」

と慰める名も無き兵士がイケメンでした。

護りたい、恩を返したい、と、どんどん味方を増やしていくナウシカ・・・現代にいたら意外と同性に好かれないタイプかもしれないですね(笑)


1人1人に生き様があって。

これだけのスケールの物語の中で、「組織の中の個」が潰れないなんて、素晴らしいです。


紋佳🐻

読書