『動物の値段』


ライオン(赤ちゃん)45万円、ラッコ250万円、トラ500万円、ゾウ3000万円にシャチは1億円!

でも、エリマキトカゲはわずか5万円。

動物園・水族館のどんな動物にも値段がある!

人気者たちの意外なお値段を決めるポイントはいったい何か?

キリンやカバなどは、どのように輸送しているのか?

すべてが驚きの動物商の世界。

その舞台裏を明かした画期的な1冊!


『寝ても覚めても動物のことを中心に考えて飼育できる人でないと、ちゃんとした野生動物飼育はできない。野生動物は弱肉強食の世界で生き、死と隣り合わせで生活している。動物は必ず死ぬし、死ぬから一生懸命に飼う。』


「動物に値段を付けることがタブー」とされる風潮もある中、その値段の理由(生息数・入手難易度・輸送難易度・飼育難易度など)を知ることで、動物への理解を深めて欲しい、という一冊。

その心意気が個人的にはとても好みで、手に取りました。


・単純に輸入するだけなら、経費を含めても100万円くらいのゴリラが、政治的背景を理由に「8,000万円」する

・人間の3倍以上のスピードで肌が乾燥してしまうカバは、飛行機の貨物室で肌が乾燥してひび割れてしまうのを防ぐために、輸送前にワセリンを肌に塗りたくってから輸送される

・パンダはワシントン条約で売買を禁止されているので、「レンタル」という形になる。3年契約で約3億円。繁殖させたいためにペアで借りるとなると倍の6億円・・・!

・アナコンダは1cmあたり2,000円!

いろいろな動物の豆知識を知ることができます。
それも、「輸入」に関する知識だったりするので、普通の動物図鑑とはまた一味ちがいます。


「ワシントン条約附属書Ⅰ類」は、商業取引が全面禁止の絶滅危惧種。

「ワシントン条約附属書Ⅱ類」は、「取引量が多く、ルールを決めないと消費し尽くしてしまう可能性がある動物」(つまり、「絶滅の恐れはないが、消費が多い種類」)というのも初めて知りました。


世界的に、どんどん動物が輸入できなくなっているそうなのですが、クマ好きの動物園好きとしては、やはり子どもたちが、動物園や水族館でさまざまな動物が見られる未来であってほしいと願います。


紋佳🐻

読書