『コンビニ兄弟2』


本屋大賞作家の心温まるコンビニ小説シリーズ第二弾!

失恋をして居心地の悪さに高校をサボった永田詩乃は、突然綺麗になった祖母と意外なところで出会う。


バイト店員・廣瀬太郎は自分のことを退屈な男だと思っているのに、キラキラ美少女がその日常を乱し始める。


どうして親友は去っていったんだろう。村井美月の直面する現実と勇気の一歩。


誰にとっても大切な想いをささやかにつなぐ場所、北九州門司港の小さなコンビニの心温まる物語。


『あー、いや。こんな感じで、早く知っておいたら早くしあわせになれたのに気付けていないことって、多いんだろうなって思ったんだ』

廣瀬くん、幸せになってほしいキャラ個人的ランキング、ナンバーワンです。

生まれ育った環境、初めての彼女とその別れ方、その後の振り回され方・・・

いろんな影響を受けて、自信を失っていた彼が、『三兄弟』から自分の価値を知っていく様子は、感動的でした。

元カノを鼓舞し、懺悔と感謝を伝えるシーン、かっこよかった。

相手のことを思いやれて、その瞬間だけで消えてしまうような優しさじゃなく、その人自身を導いてくれるような、そんな人間力のある男性って、魅力的ですね。


第三話「クイーンの失脚」もよかった。

町田さんの描く『人と人とが交流する中で生まれていくいい循環』をみていると、対人関係も悪いものばかりじゃないと前向きな気持ちになれます。


『正しさの陰に苦しんでいる人、傷ついている人がいるなら、正しさを主張しなくてもいいこともある』

何度も、何度もかみしめる。


紋佳🐻

読書