『残りものには、過去がある』


結婚して幸せになるために必要なのは、愛、打算?それとも・・・。

新郎新婦を巡る披露宴の物語。

まだ肌寒い春の、とある結婚式場。

美しく若い花嫁とカバのような花婿という、年の差婚カップルの披露宴に集った客たちはそれぞれ、偽装、詐欺、婚前不貞という闇を抱えていた。

そして一見、幸せの絶頂にいるように見える新郎新婦には、2人だけの秘密の約束があった。

恋人、夫婦、家族の新しい関係を提案する連作短編集。


はー、やられました!

とある結婚式場に関わっている登場人物たちが、代わる代わる一人称視点になり、綴られていく短編集。

初めは嫌悪感すら抱かれていた人物が、実は―。

誰かの「主観」がいかに頼りないものかを、思い知りました。


その人のことは、その人にしか分からないし、周りの評価なんて、あてにならない。

加えて、人は見かけじゃない。

ラスト一行にも感動しました。


女優であり、脚本家、作家でもある中江有里さん。

初めましてでしたが、かなり掴まれました。

他の作品も拝読します!


紋佳🐻

読書