『11文字の檻 青崎有吾短編集成』


『体育館の殺人』をはじめとした論理的な謎解き長編に加え、短編の書き手としても人気を集めてきた青崎有吾。

JR福知山線脱線事故を題材にした「加速してゆく」、全面ガラス張りの屋敷で起きた不可能殺人を描く本格推理「噤ヶ森(つぐみがもり)の硝子(ガラス)屋敷」、最強の姉妹を追うロードノベル「恋澤姉妹」、掌編、書き下ろしなど全8編。

著者による各話解説も収録した、デビュー10周年記念作品集。


Twitterで、福知山線脱線事故のドキュメンタリーがバズっていて、ちょっと見ただけで寝つきが悪くなるほどの精神的ショックを受けた数日後に、まさかその事故を扱った小説を読むなんて、誰が予想できたでしょう・・・。
(本当に偶然、知らぬままに読み始めました)

でも、映像じゃなくて文章だから、落ち着いて受け止められました。

寧ろ良かったかも(ショック療法)。


綾辻さんの〈館〉シリーズのような本格ミステリから、
西尾維新さんのような言葉(漢字)遣い、キャラ付けが光る、最恐な姉妹と闘う物語(戦闘シーンはSAOのようなスピードと臨場感)、
ガンダムのようなメカが出てくる近未来的物語、
JKたちの交友関係を繊細に描いたラノベのような物語まで、(この人は一体何者?)と思わされるような短編集でした。


『11文字の檻』は、そういったテーマによくある閉塞感と焦燥感があり、そのオチに出会うまで夢中に。


青崎有吾さん、初めましてでしたが、力のある作家さんでした。

長編も拝読したいと思います。


紋佳🐻

読書