『100万回死んだねこ覚え違いタイトル集』
本の正確なタイトルは、なかなか覚えづらいもの。
そしてうっかり間違って覚えたタイトルを文字通りに想像してみたら、とんでもなくシュールでおもしろすぎる事態になっていることもしばしば。
そんな図書館利用者さんの「覚え違いタイトル」の実例を集め、HPで公開しているのが、福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」。
本書は、そのなかから秀逸な「覚え違いタイトル」を厳選し、「覚え違い」を文字通りに表したイラストを添付。
そしてページをめくれば「正しい書誌情報」と「司書さんによるレファレンス」が現れて・・・という仕掛けになっています。
読者のみなさんはきっと、利用者さんの覚え違いに爆笑し、司書さんの検索能力に驚嘆することになるでしょう。
クイズ感覚でも楽しめる、公共図書館が贈る空前絶後のエンターテイメント、ぜひご堪能ください!
村上春樹『1Q84』の解説では、
『刊行前にタイトルが発表されたときには「絶対に覚え違いが発生する・・・・・・!」と、全国の図書館員がザワついたことでしょう。(中略)
人気作家の新刊が複雑なタイトルだった場合に身構えるのは、「図書館あるある」なんです。』
とあって、新刊のタイトルの複雑さに注目したことのなかった私には新鮮なエピソードでした。
今後、そういう目で見てしまいそうです。
覚え違いで間違ったタイトルの方の、間違った内容を想像させるイラストが、どれも秀逸でした。
『あんでらすの鐘』→『あでらんすの鐘』
『渋谷に里帰り』→『渋谷に朝帰り』
『 滅びの前のシャングリラ』→『滅びた後のシンデレラ』
などなど・・・
よくイラストに出来たなあと感心したり、読んでみたいと興味をそそられたり。
年間約2万件、1日あたり約50~70件の利用者の相談に応えているという図書館のレファレンスサービス。
そんなに対応しているなんて、知りませんでした。
図書館ごとに、導入している「検索システム」が異なることも初めて知ったことです。
(それによって、どう検索をかけるとヒットしやすいかが変わってくるんだそう)
いつもお世話になっている図書館の司書さんたちが、とてもやさしくて。
2歳の息子にも、にこにこ対応してくださるのが、私にとっては癒しの時間。
「本を借りに行く」以上に、「司書さんの笑顔に癒されに行っている」ところがあります。
1人になりたい人、子連れで行きたい人、
本を探しに行く人、暇つぶしになんとなく行く人・・・
いろんな人が集まっても、それぞれの利用者が幸せになれる、図書館って、素敵な場所ですね。
紋佳🐻
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