『酒と人生の一人作法』


70すぎたら愉しくなった 「老後」を受け入れて初めて、大切なものが見えてくる。

粋と喜びに彩られた“オオタ式"享楽人生論。


高校生の頃から旅チャンネルで『ニッポン居酒屋紀行』を観ていて、ずっと大ファンの太田和彦さん。

太田さんのご著書を拝読するのは初めてではありませんが、今回は特に濃厚な一冊でした。

『造り盛りの基本は、〈白身・赤身・貝〉の三点盛りで、五点盛りは田舎お大尽になる。足りなければ皿を改め「もう一皿、トビウオと平貝」と追加するのが粋なやり方だ。』

太田スタイルが、惜しみなく学べます。


『好きな彼女と居酒屋で大いに酔っぱらえ、酔っぱらって肩を組んで千鳥足になれ、酒の上の失敗をシロ。酔った裸の姿をさらして嫌われたらそれまでだ。』

結婚前、それこそコロナ前。

始発まで呑んだくれたり、真夜中にタクシーで帰ってきたかと思えば玄関で酔いつぶれたり・・・。

夫には数々の醜態を晒してきました。

それでも嫌わずにいてくれて、本当にありがとう。


『しかし、四十歳を過ぎて会社勤めをやめてから、ずっとこうではあった。おかげで生活は苦労したが、それでもこれでよかった。なぜなら「嫌なことはしなかった」から。「嫌な奴とはつき合わなかった」から。それでメシが食えるのなら苦労はないと言われそうだが、結果的になんとか食えてきた。おかげで安くて旨いものには詳しくなった。』

あとがきを読んで、泣きそうになりました。

そうだよなぁ。私も、ここまで好きに生きてきたのなら、もう貫くべきなのかもしれない。

人様にご迷惑をおかけせず、家庭的責任を果たして、「ああ、好きなことやって生きたなあ」と思いながら死ねたら―

それはもう、十分すぎるほど幸せだ。


紋佳🐻

読書