『百貨の魔法』


時代の波に抗しきれず、「閉店が近いのでは」と噂が飛び交う星野百貨店。

エレベーターガール、新人コンシェルジュ、宝飾品売り場のフロアマネージャー、テナントのスタッフ、創業者の一族らが、それぞれの立場で街の人びとに愛されてきたデパートを守ろうと、今日も売り場に立ちつづける―。

百貨店で働く人たちと館内に住むと噂される「白い猫」が織りなす、魔法のような物語。


ファッションビルでもなく、スーパーでもなく、『百貨店』。

背伸びして足を踏み入れた子ども時代、自分へのご褒美のため、誰かへの贈り物のために訪れる大人時代・・・

百貨店という場所は、その土地に住む人々を、いつでも見守り、迎えている存在なんだなあと、こころ温まる物語でした。


私には、学生時代にレストランフロアのとんかつ屋さんでバイトをした思い出しかないけれど。


いつか無くなってしまうかもしれない・・・

時代に合わせて、新しいものになってしまうかもしれない百貨店、だからこそ、

百貨店で繰り広げられる、その瞬間、その瞬間の輝きが、とても尊いように感じられました。


これほど余韻の残る本は、ひさしぶり( *´꒳`* )


#百貨の魔法

#村山早紀



紋佳🐻

読書