『今日は自習にします』


学びは誰のために?

何のために?

しあわせの計算、人生の作文、月のように満ち欠けする体と心・・・


45の教科と学校の時間を、ちょっとおもしろい視点で楽しめる、ひとり学習指導要領。

やさしい絵と言葉は、孤独や不安をかかえた心をほぐし、変わりつづける社会の中でほのかに感じるモヤモヤへの気づきを促します。

イタリアに住む作家・工藤あゆみによる、『はかれないものをはかる』『キスの練習をしています また会える日のために』につづく、待望の新作。


『幸せ泥棒をしてしまいました。』

『俯瞰と引き換えに主観を差し出すなかれ。』

カラフルで繊細なタッチのイラストに添えられた、近すぎず、よそよそし過ぎず、心地良い距離感の言葉たち。


そして、紙の質感も然ることながら、「糸の見える綴じ方」の装丁が、本当に素敵。

ぴしり、ぴしりと頁をめくることができて、ときめきます。


後半は、実際に自分の手やこころを動かして参加するようなしかけがいっぱい。

表紙にもあった、

( )+( )=私は幸せ

の穴埋め、私だったらなんだろう。

子どもの寝顔 +本= 私は幸せ

冷えたビール + 夫のごはん= 私は幸せ

大好きな仕事 + ファンレター = 私は幸せ

たくさん思い浮かぶけど、こうやって改めて自分が幸せだと思う『組み合わせ』を考えると、楽しい。


どのページも、何かしらの科目の「自習」になっているのが、このタイトルに繋がっていて。

学校で学ぶことだけが勉強じゃない。

誰かにプレゼントしたくなるような1冊でした。


紋佳🐻

読書