『華氏451度』


華氏451度─この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。

451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。

モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士(ファイアマン)のひとりだった。

だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わってゆく・・・

本が忌むべき禁制品となった未来を舞台に、SF界きっての抒情詩人が現代文明を鋭く風刺した不朽の名作、新訳で登場!


『火を燃やすのは愉しかった。』から始まる名作。

『1984年』もそう。

私、ディストピアSF作品が好きなんだなあって、ここ最近知った事実。

過度な監視社会、情報操作、環境破壊・・・

非人道的な世界を描いた中で、登場人物(多くは主人公)たちが、人間らしく生きていくために命を懸けて藻掻く姿―それも初めは本能的で、衝動的な行動が発端―に、一緒になって高揚感を抱くから、ハマってしまうのだと思う。


何度リセットされても、生きるために立ち上がる人類は、つよい。

何度リセットされても、同じ過ちを繰り返してしまう人類は、愚か。

希望を抱いていいのか、絶望すべきなのか。

たぶん、絶望したいんだと思う。

だって、イヤミス好きな私だもの。


自分のことが分かるようになってくると、読書も、どんどん面白さを増してくる。

歳をとるのも、悪くない。


紋佳🐻

読書