『波』2023年10月号。


ここぞとばかりに、波を読み漁る。


三島由紀夫、松本清張・・・と、新潮文庫を読破してきた(もとい編集長による命でさせられてきた)南陀楼綾繁さんの、今回から「池波正太郎」回。

84冊読破するって、凄すぎる。

『剣客』の番外編『黒白』の話。

辻斬り魔に堕ちた門徒を斬ったことをきっかけに、刀で人を殺す快楽から離れられなくなった主人公―
そういった邪剣に対する、秋山小兵衛のこの言葉。

『わしはな、かえって戦乱絶え間もなかったころのほうが、人のいのちの重さ大切さがよくわかっていたような気がするのじゃ。
いまは、戦の恐ろしさは消え果てた代りに、天下泰平になれて、生死の意義を忘れた人それぞれが、恐ろしいことを平気でしてのけるようになった。』

・・・刺さりました。

まさに、令和という時代に必要な言葉。


銀シャリ・橋本さんの「ビジネスホテルあるある」エッセイは、声を出して笑ってしまうほど面白かったので、鳥さん(夫)にも読ませて。


伊予原新さんの『翠雨の人』は、日本人代表として、ひとり渡米した勝子が、歓迎されない環境の中で、孤軍奮闘する展開が胸アツ。

二ファー法とAMP方で、セシウムを回収勝負。

回収率の高さ、精度を、現地の研究者と四度にわたって競う、その第一回目が描かれて終了。

これは、続きが気になる。


紋佳🐻

読書