『あなたが誰かを殺した』


閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。

愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か。

残された人々は真相を知るため「検証会」に集う。

そこに現れたのは、長期休暇中の刑事・加賀恭一郎。

―私たちを待ち受けていたのは、想像もしない運命だった。


話題になっている新作。

事件の内容や犯行の動機、トリック・・・は、とてもシンプルで、解明していく中で大きく揺さぶられるような展開がなかったのが残念。

状況証拠ばかりで、推論から犯人を追い詰めていくやり方は、物足りない派には物足りないかも(自分はそうでした)。


でも、事件の全貌が明らかになった後の関係者たちの覚悟、決意、反芻の描写はとてもよかった。

さすが東野さん。


すっきりと解決して終わらず、その後の結論は登場人物たちに投げられている、大人なミステリでした。


紋佳🐻

読書