『私たちの特別な一日』


また会えたひと、もう会えないひと。

成人式、結婚式、葬式、祭礼・・・

人生の節目に訪れる出会いと別れを書く、文庫オリジナル・アンソロジー。

人生の節目に催される冠婚葬祭―

冠は成年として認められる成人式を、
婚は婚姻の誓約を結ぶ結婚式を、
葬は死者の霊を弔う葬式を、
祭は先祖の霊を祀る祭事を指します。

四つの行事は人生の始まりと終わり、そしてその先も縁を繋いでいきます。

現在の、あるいはこれからの私たちと冠婚葬祭をテーマに、現代文芸で活躍する六人の作家があなたに贈る文庫オリジナル・アンソロジー。


『幼さは、他人への興味の浅さと紙一重だ。
ちょっとでも自分と違うと「仲良くなれない」と決めつけ、それ以上のことを知ろうとしない。』
(寺地はるな『ありふれた特別』より)

寺地さんのものの見方が好きです。

刺さるのは、そうと気づくことのできるくらいには大人になったからなのか。


雪舟えまさんの作品は、ファンタジーっぽさといい、ボーイズの香りといい、昔よく読んでいた長野まゆみさんを思い出しました。


町田そのこさんのあと味の悪さは、町田さんにしては珍しい!と、イヤミス好き&町田さん好きとして胸が高鳴りました。良かった。


アンソロジーっていいなあと改めて実感するほど、素敵な作品集でした。

おすすめ。


紋佳🐻

読書