『棚からつぶ貝』


鳥取から上京後、芸能界に入り活躍の場を広げる著者。

世界中を飛びまわる日々のなか、仕事にいつも一生懸命なイモトが、「背中で見せる理想の上司」「拝啓 安室奈美恵さま」「おもしろ女優」など、家族や芸能界の友人たちについて綴ったエッセイ集。


『21歳で珍獣ハンターという職業につき早10年。
同時にそのほとんどを海外で過ごす生活になり早10年。
そんな私は今年(2017年)31際になった。』

『30歳になる頃だろうか。ふと思ったのだ。
100ヶ国以上世界をあちこち旅しているのに、私は一体どのくらい日本のあちこちに行ったことがあるのだろうか。(略)
ペルーのマチュピチュには2回も行ってるのに、京都の金閣寺銀閣寺には一度も行ってない。
カンボジアのアンコールワットには行って、日光東照宮には行ってない。
パナマ運河の壮大な装置はリポートしたのに、黒部ダムは生で見たことがない。
カナダで野生のシロクマには遭遇したのに、北海道の旭山動物園のシロクマには会ってない(これはまあ良いか)。(略)
だとしたら日本国内は自分自身で見て回ろうじゃないか。』

こんな出だしが書ける人は、この世でひとり。

面白くて、力強くて、尊敬であふれてしまう。


先日拝読した『よかん日和』より3年前に出版された、いもとさんのエッセイ処女作。

親友であり、まるで家族のように親しかった竹内結子さんとの話は泣けました。こんなの、泣くしかない。


紋佳🐻

読書