『え、この声 え?この声 え、この声』
「バカにするなら俺をバカにしろよ。俺も芸人だけど一回も売れてねえんだから。ゼロ発屋より一発屋の方が凄えんだよ。いくらでもバカにしろよ」
一発屋以前の芸人・根尾。
ものまねが縁で声のかかった声優の道を進むのか?
元相方とまだ夢を追い続けるのか?
若者たちの思いと諦めたものの思いが交錯する物語。
元芸人によるギミック満載の鮮烈デビュー作、誕生。

「やりたいことやってれば、どうなったって人生楽しいから」
この言葉に、どれだけの人が救われるでしょうか。私も救われました。
「作家を苗字で集めました」という図書館の特設コーナーがあって、『渡辺』さんが集まる棚で出会い手にしたこちらの本。
所々に回文が使われていて、最近回文に縁があるなあと、そんな巡り合わせも面白かったのでした。
(タイトルも回文なのか!と途中で気づきました)
売れない芸人が、モノマネをきっかけに大御所声優の後継者として弟子入りさせられることになり、様々な訓練を受けることになる―という設定に興味をそそられつつ、序盤から拭えない不穏な空気。
絶対にこれバッドエンドだよね、え、どうなっちゃうのと、スリル溢れる読書体験でした。
『独立リーグはセ・パー二球団のNPBとは違うが、選手は一〇〜四〇万円程度の月収をもらいプレーする「プロ野球」だ。オフにバイトをして生計を立てる選手も少なくない。
NPBとは天と地ほどの差がある厳しい環境。関東、北越、四国などの独立リーグから毎年一〇人以上NPBのドラフト指名選手を輩出している。華やかな「プロ野球」の世界を夢見る選手にラストチャンスを与える受け皿となっている。』
関東サッカーリーグの「沼」にハマり始めた我が家ですが、野球にもそういう世界線があると知り、テンションがあがりました。
そこにも「沼」があるのでしょうね。
声優、芸人、野球、ホスト―
興味のある項目がある方にはおすすめです。
見返しは、「黒」。
人生のどん底ともとれるし、明るいステージへ飛び込む前の舞台袖の暗さとも受け取れて。
真っ黒な見返しが、絶望と希望の両方に感じられるってすごいなあと思いながら本を閉じました。
紋佳🐻








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