『元彼の遺言状』


第19回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作は、金に目がない凄腕女性弁護士が活躍する、遺産相続ミステリー!

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言状を残して、大手製薬会社の御曹司・森川栄治が亡くなった。

学生時代に彼と3か月だけ交際していた弁護士の剣持麗子は、犯人候補に名乗り出た栄治の友人の代理人として、森川家の主催する「犯人選考会」に参加することとなった。

数百億円とも言われる財産の分け前を獲得するべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。

一方、麗子は元カノの一人としても軽井沢の屋敷を譲り受けることになっていた。

ところが、避暑地を訪れて手続きを行なったその晩、くだんの遺書が保管されていた金庫が盗まれ、栄治の顧問弁護士であった町弁が何者かによって殺害されてしまう―。


やっと読みました!

「第19回 このミステリーがすごい!」大賞を受賞したこちらの作品。

作者は、私が通った母校(高校)の卒業生でもあり、母校を初め、地元ではとても盛り上がっております。


来期の月9ドラマにもなるそうですね。

まず登場人物たちがみんな華やかだし、ミステリとしてのクオリティも高くて、「これはドラマ化するわ!」と納得しました。


ご自身が弁護士だからこその着眼点や、専門的知識をふんだんに散りばめた台詞の数々が、物語に、登場人物に深みを持たせているのが素敵。


「女性キャラクターの描き方」がいいですね。

我の強い、意思の強い女性だけじゃなくて、よくいる「優等生タイプ」、感情豊かで「自己表現豊かタイプ」、「か弱さ」を武器にするしたたかな強さを持つ女性まで、幅広いキャラクターの女性が登場して、読んでいて飽きません(もちろん男性も色々登場して面白いです)。

その女性たちの絡み方が「対立一辺倒」でないのがまたいい。ドラマ性豊かです。


今後の活躍が楽しみな作家さんが、またひとり増えました。


紋佳🐻

読書