『ワンダフル・ライフ』


事故で重度の障害を負った妻(49)を自宅で介護している「わたし」(50)。

なんのために、こんなにも自由のない生活を続けているのか・・・

「わたし」の物語と、さまざまな悩みを抱える男女の物語が絡み合い、繋がるとき、慟哭の真実が明かされる―


3本のストーリーが同時進行で展開していくのですが、その構成の意味にやっと気が付いた中盤までは、なかなか読むのが大変な本でした。


2016年、津久井やまゆり園で起こった「相模原障がい者施設殺傷事件」をきっかけに、「障がい者の人格」について考えたという丸山さんの、その奥さまもまた、頸髄損傷の障がいがあると読了後に知って、この本の重みを改めて感じずにいられませんでした。


『これほど「書ききった」という手応えがあった小説はありません。

早い段階から「これを自分の集大成にしますから」と宣言していた通り、まさにこの先、何を書けばいいのか途方に暮れています(笑)』

と丸山さんが仰るこの本を、ゆっくりと、消化していきたいと思います。


紋佳🐻

読書