『シャーロック・ホームズの冒険』


ロンドンにまき起る奇怪な事件を追って神出鬼没する名探偵シャーロック・ホームズは、その怜悧な推理と魅力的な個性で読者を魅了する。

近代探偵小説を確立したホームズ物語の第一短編集。

赤毛の男が加入した奇妙な組合のからくりを追う「赤髪組合」、乞食を三日やったらやめられない話「唇の捩れた男」など10編。

意表をつく事件の展開、軽妙なユーモアがあふれる作品集。


『赤毛組合』(こちらの場合は『赤髪組合』)から読んでほしい!という友人の勧めに従って、先日「青い鳥文庫」版を読んだのですが、今回は「新潮文庫」版で読みました。

小学生向けから読み始めてしまったために、大人向けの短編集は、初め取っ付きにくさがあり、目が文字の上を滑りがちではあったのですが、慣れてくると「大人向けの良さ」が物語に深みをもたらしているのが分かりました。
(差別的な表現や、残酷な表現を含む)


起承転結の「起」から、ワクワクさせてくる文章で、どの短編もたのしみました。

この1冊で読めるのは、以下10編。

ボヘミアの醜聞
赤髪組合
花婿失踪事件
ボスコム谷の惨劇
オレンジの種五つ
唇の捩れた男
青いガーネット
まだらの紐
花嫁失踪事件
椈屋敷

どれも面白かったけど、個人的に特に印象的だったは『オレンジの種五つ』。

情景描写がとてもよかったです。

それから『椈屋敷』は導入がおどろおどろしくて好き。


シャーロック・ホームズが「変装の天才」であるとか、ワトスンが意外とホームズに不快感を抱くことがあるとか、読まねば知らぬ事がたくさんありました。

おすすめしてくれた友人に感謝して。


紋佳🐻

読書